姫嶋神社|参集殿

大阪市西淀川区
用途:社務所
敷地面積:3,398.98㎡
建築面積:620.54㎡
延床面積:620.54㎡
対象面積:223.79㎡
階数:地上1階
構造:木造

撮影:淺川 敏

Asia Design Prize 2018 Winner
大阪府建築士会 第10回建築人賞 奨励賞


地域に根ざした神社の参集殿は、神事を司る大広間と社務所を併設しており、手漉き和紙の障子で柔らかく間仕切ることで、婚礼・講和・美術展示など、多様な要望に応える構成としている。ここは神聖な空間でありながら、一般にも気軽に利用できるよう、壁面には躯体と同じ唐松を用い、背筋か伸びすぎない優しい空間とした。本殿に至る参道に面する外観は、控えた意匠とするため、神社建築に見られる千木がニョキッと突き出すのではなく、屋根の下に沈め斜めに振ることで、X-Y軸の耐力を補う構造とした。この参拝者の記憶に残る”集いの場”は、氏子と神社の連綿と続く長い歴史を表現している。
本施設では、地中の断熱性を有効に活用することで床下空調の負荷を低減し、気積の大きい室内環境を経済的にコントロールしている。加えて壁面の唐松は、鎧張りとすることで表面積を増やし、素材の吸放湿性をより高め、壁面上部の和紙、床の唐松もその調湿作用を助長している。
さらに、黒く鏡面に磨かれた天井は、日照、御神木を映しこみ、昼夜の神秘的な空間変化をより一層豊かにしている。
現代的な建築に伝統的な技術や感性を盛り込むことで、次世代に繋がる学びの場として広く愛される施設となっている。

The Sanshuden of shrine rooted in the local community has a large hall and office, and it is structured to respond to diverse needs such as wedding, lecture and art exhibition by softly dividing with Shoji made by handmade Japanese paper. Although it is a sacred space, in order to be able to use it generally in a casual way, I used the same pine wood for the wall as the structure, and made it a gentle space. In order to make the facade facing the approach towards the main shrine to be a simple design, the "Chigi" seen in the shrine building do not protrude like "nyoki nyoki" but sank under the roof and swung diagonally. And it will be compensated for stress of the X and Y axes.
This expresses the long history that continues with the worshiper and the shrine, and it is designed as a "place of gathering" that the visitors keep in their memory.

建築人賞選評
多くのベテランや組織の強豪に伍して、若手の阿曽リエの設計者が挑んだ意欲作です。伊勢神宮につながる由緒のある神社の参集殿は境内の一画を囲い取る形で計画されていますが、その白い外壁に閉ざされた外観からは想像できないほどに、一旦内部に入ると伸びやかで開放的な空間が溢れています。妻面のガラス開口越しには本殿や鎮守の楠などを望み、自分か今確かに境内の中にいることを感じさせます。小屋組の木架構や、広間を仕切る大障子の桟などに節度がありながらも大胆なデザインが施され、内部空間全体を独特のものにしています。これを臆せず提案した作者の熱意もさることながら、受け容れたクライアントの度量の深さに感服しました。
審査委員長 古谷誠章

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