姫嶋神社・社務所

大阪市西淀川区
用途:社務所
敷地面積:3,398.98㎡
建築面積:620.54㎡
延床面積:620.54㎡
対象面積:223.79㎡
階数:地上1階
構造:木造

撮影:淺川 敏

10年後の本殿建替えを見据えた神社の環境整備である。戦後の復興時に建てられた参集殿の増改築、柱の老朽化に伴う鳥居の据え替え、将来の軸線を示す参道の整備、煩雑になっていた外構の整備を行った。新しい参集殿は、講堂としても利用される大広間を併設しており、婚礼・講演・美術展示など、多様な要望に応える空間として利用されることで、地域に密着した神社を目指している。また、敷地の西側に隣接して児童公園があり、境内はもちろん、大きな講堂も子供達が安心して遊べる場となる。ここでは、戦火を逃れた地域の守り神でもある御神木と参拝に来られる大人達が、子供達をしっかり見守ってくれるはずである。本殿にいたる参道に面する外観は、できる限り主張のないデザインを心掛けている。神社建築にみられる千木は、一般に屋根の合掌部が開かないよう、補助的な構造としての役割を担うとされる。その千木を屋根からニョキッと突き出すのではなく、屋根の下に沈めることとした。更に、少し斜めに振ることで、X-Y軸の大きな揺れに対し、耐力を補う構造とした。これが、室内空間を決定づける意匠に大きく寄与しており、神社の由緒にもある「やりなおし神社」に相応しく、大空間をより力強いものとしている。神社で走り回りながら体得した多くの発見を、子供達が水先案内人となり、近所のお年寄りや大人達に教えてくれる。この施設が、時代と世代を越え、広く地域との関わりを深めるきっかけとなることを祈念した建築である。

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