RE:02
集合住宅リノベーション


大阪府門真市
用途:集合住宅
延床面積:150.60㎡(エントランスホール)
階数:1/12階
撮影:Stirling Elmendorf


グッドデザイン賞ノミネート作品

高度成長期に乱立した巨大マンションは、立地条件によるものの、その多くは転売が難しく、大規模改修にも多額の費用を投じなければならない、といった状況が続いています。そんな地方都市の、老朽化した集合住宅の再生を目指した、メンテナンス計画です。ここでは、時代と共に老朽化した建築の補修と、現代の生活スタイルに沿った、エントランスホールのデザインが求められました。まず最初に、無秩序に計画された既存のデザインコードを整理し、キャノピーの天井、エントランスホールの壁面、アートワークには、反射性の強い素材を用い、物理的に制約されたホールに、明るさと視覚的な広がりを確保しました。同時に人の姿が映り込むことによる、心理的な防犯性の向上を狙いました。また、ディスプレイスペースにもなる大きなベンチをあらたに設けました。
限られた空間に向き合うとき、2重3重の効果の積み重ねが、設計の糸口になるのではないかと考えています。この度の計画では、金属・ガラスの映りこみを利用し、視覚的な広がりと防犯性の向上、ローコスト化を実現いたしました。
このエントランスが、全住人の永続的な平穏と、 おもてなしを表現する玄関口となることを願っています。

ALL
HOUSE