奈良東大寺の麓、いにしえの都に佇む和菓子の老舗です。春日大社にも遣える菓匠の庵は、国の重要文化財になってもおかしくないほど貴重なもの。
計画は、茶寮の新設と、これまでお客様に利用いただく機会の少なかった和室と茶室を開放し、ゆったりとした寛ぎの時間を過ごしていただけるような空間にしたいとのことでした。
茶寮と和室を繋ぐため既存の土壁を取り払い、和室の利用形態に合わせて変化する間仕切りとして、無双窓を組み込んだ蔀戸を設けました。
和室と茶室を一体の室としてつなぐ大きな行灯は、奈良の伝統的な手漉きの宇陀紙を用いており、名物わらび餅に反射する艶やかな灯りはとてもやわらかく、菓匠の技をより一層惹きたててくれています。

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