織物の茶室~下鴨神社・糺の森~


京都市左京区
用途:茶室
延床面積:2帖
階数:1階
構造:ステンレスフレーム+縒り糸
撮影:淺川 敏

【下鴨神社・糺の森】
紀元前より長い歴史とともに祀られてきた世界遺産・下鴨神社は、正式には、賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)とよびます。流鏑馬(やぶさめ)神事、葵祭などが有名で、楼門の手前にある「相生社」は、縁結びの神様として多くの人々に親しまれています。

【伝統技術について】
日本国内に限らず、美術館や歴史博物館を訪れると、現代では再現することが困難な伝統技術を、目にする機会が増えています。このことは、これまでに受け継がれてきた伝統的な技術や感性がとぎれつつある現実を指し示しています。京の地は、先人より代々伝えられ、研ぎ澄まされた伝統的な技術に満ち溢れています。この歴史あふれる地の力をお借りし、伝統的な技術や感性が、数多くの縁と堅く結まれることを祈念したお茶会を催しました。

【織物の茶室】
2帖(1.8mx1.8mx1.8m)大のステンレスのフレームに、縒り糸を張りめぐらせた茶室空間です。織物の茶室は、製造工場での日常的な作業工程、これまでに積みあげてきた織物の技術の高さを表現しており、表にはでてこない職人たちの巧みな技術と、繊細な手仕事の重要性を伝えようとしています。
繊細な手仕事が施された一本の細い糸が、幾重にも織りかさなり、点から線、線から面へと変体し、緊張感に満ち溢れる空間にまで昇華する様を愛でるためのお茶室です。

【出展】
器 :山内駿(京焼・清水焼)
茶室:橋口新一郎(建築家・近畿大学建築学部非常勤講師)
後援:大阪内装材料協同組合青年部
主催:五条坂・茶碗坂ネットワーク
協力:公益財団法人 世界遺産賀茂御祖神社境内 糺の森保存会

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